『く・ろ・つ・ぽ・い・し... おとうさん、これどういう意味?』
40年以上も前、まだ僕が平仮名も満足に読めない頃、父と一緒に写真絵本のようなカブトムシの本を読んだ。
これが、僕と海野先生が撮られた写真との最初の出会いだ。
母の影響か、幼いころから大の生きもの好き。幼少期を奈良・信貴山の麓で育ったが、家の前に広がる雑木林や野池は、僕にとってはまさに自然という名の「教室」だった。昆虫のみならず、魚類・爬虫・両生・鳥類・哺乳類、木々や草花、本当にたくさん見られた。この原体験が、今も僕の心の奥底で静かに息づいている。
さまざまな生き物たちとの出会いは、新しい発見の連続だった。まだインターネットもない時代、生き物たちと仲良くなるべく穴があくほど読んだ多くの図鑑に、いつも海野先生のお名前があった。
時を経て、IT技術者である僕は、環境保全団体の職員となった。そのとき初めて、実物の海野先生とお会いする機会にも恵まれた。拝見していたお写真の通り、優しさの中にも鋭く光るまなざしがとても印象的だった。また生き物にまつわるお話がとても面白かった。以来、本の中の存在であった海野先生は、少し身近な存在となった。
環境保全団体をやめた今も、IT技術者のかたわら、企業にて社員向けの環境啓発活動を行っている。
かつての自分がそうだったように、「生き物って面白い」「自然って不思議だ」と感じるきっかけを、今度は誰かに手渡したい。そんな思いが、活動の原動力になっている。
今回、お世話になった海野先生へのせめてもの恩返しにと、「小諸日記」復活のお手伝いをさせていただいた。
「小諸日記」を通して、海野先生の写真や言葉、そして自然へのまなざしを、より多くの人に届けたいと思う。
そして、幼い頃に感じたワクワクや発見の喜びが今も僕を支えているように、次の世代の誰かの心にも、そっと届くことを願っている。(カナメ)
参考:「WWFとの出逢いは?」企画管理室IT担当インタビュー
参考:アサギマダラと共に去りぬ
プロフ:Facebook
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