ゲンジボタルの幼虫は蛹になるために川から上陸して土に潜る。それは桜の花が散る頃の雨の降る夜と決まっていて、今夜はまさにぴったり条件が当てはまっていた。
 ゲンジボタルの棲む川で明かりを消して暗闇を見ていると、ひとつふたつと川岸に小さな光を見つけることができた。懐中電灯を照らしてみると、イモムシのように体をくねらせながら歩いている幼虫を発見。成虫とは似てもにつかないちょっと気味の悪い幼虫だ。