この年はCMの手伝いをした。ハナカマキリが登場するテレビのコマーシャルだった。ぼくは昆虫監督という役目をちょうだいした。まあ虫の調教師みたいなものだ。
 かなり大きなコマーシャルで、スタッフは10人近くもいたかと思う。ジャングルの中にランの鉢植えを大量に持ち込みセットを作った。コマーシャルの撮影というのは実にばかばかしく、それが面白い。CMの撮り方はこだわりが生態ビデオとはかなり違うから、逆にとても参考になる。
 1週間ほどの撮影だったと思うが、CMの合間に自分の写真を撮ることもできた。この写真はアジアツノガエルとか、コナハガエルと呼ばれるカエルで、ジャングルの林床に住んでいる。ふせをすると落ち葉にそっくり、この写真は本人は威嚇しているつもりかもしれない。胸が赤っぽく、このような姿勢をとるとよく目立つ。